絵描きさんの常識!「裏書」とは?


こんばんは、Mayuです。


お久しぶりですね。ごめんなさいね。

実は来たる2018年はすでに個展が2つ、グループ展が1つの予定がぶち込んであります。

そのためブログがいつにも増してゆっくりになっているのですね。ごめんなさいね。

したがって久しぶりの更新である今回は、1月17日からの個展準備をさせて頂きながら、「裏書」についてお話させて頂きますね♪

裏書というのはご存知ですか?法律用語でも証明書のような意味で使われますが、絵の世界でも同じようなものです。

「裏書」とは絵やその他の作品の裏に書いてある、誰の作品かという証明書です。


絵描きさんでも、作品にサインはしても裏書はしていない人がほとんどじゃないでしょうか。

「知らなかったのでやってない」という人もいるでしょうが、「私の作品にそんな、裏書なんて、たいそうな……」と謙遜してやっていない人もいるのではないでしょうか。

もし、あなたが後者なら大間違いですよ!

裏書は、あなたのプライドのために付けるのではないということです。

買ってくれた人、もしくはこれから手に入れる人のために付けるものです。

想像してくださいね。絵を買う人の中には、その絵をただ気に入って買う人のほかに、コレクションやいずれオークションに出すために買う人もいます。

その時に、誰が描いたという証明書が必要になってくるわけです。作者が怪しい絵なんて手に入れたくない人もいるのです。絵を財産として持ってくれる人のために、絵描きがやるべき最低限の努力です。

裏書の大切さを踏まえた上で、裏書作成の手順を説明していきましょう♪

まずは個展に出品する作品を準備……



※基本的には作品をお客様の元にお届けする前にすることですが、個展などの場合は、終わり次第、画廊の方が作品をお客様にお渡ししてくれるので、我々絵描きは個展前に裏書を付けておきましょう。



裏書用の紙



私は和紙を使っています。なぜ和紙なのかと言いますと、後でお話しますが、切り口が綺麗だからです。


繊維が長いしっかりした和紙がベストですが、私は最近は習字用の半紙を使ったりもします。

和紙を好みの大きさに切ります。和紙は折り目に水を付けて手でちぎります。水を含ませしっかり絞ったスポンジやティッシュなどで、折り目をスっと撫でるといいでしょう。



何を書く?何で書く?



ここには、

①タイトル
②製作年
③作者名

を書き入れます。



筆記具は、鉛筆、筆、つけペン、などがいいでしょう。インクの中には滲みに弱かったり耐光性のないものもありますから、よく選んで使用してください。フリクションペンなどはもってのほか。筆記具選びポイントは「消えたら困る」です。


あ、もちろん、縦書きでも可ですよ。自分が一番カッコイイな、と思うのにしてくださいね。



落款



ここまでで書き入れた要素で、裏書としては充分とも言えますが、あとこれが有るともっと親切なのが、落款です。


私の絵を買っていただいた方は分かると思いますが、必ず落款を捺しています。

いわゆる証明印があることで、さらに裏書の信用度が高まります。


落款は、出来れば篆刻のものを。朱肉はスタンプインクではなく印泥を。落款は、私は自作のものを使っています。本格的なものを用意するなら、職人さんに依頼するのがベストでしょう。手軽ですが、消しゴムはんこは出来れば避けましょう。



こんな感じになります。



どこに付ける?



場所は、額装した作品の裏です。



私は左下に貼っています。


貼る時も、お客様のことを考えましょう。例えば「額縁を変えたい」となったら、裏書をいったん外さないといけません。裏書を傷めず外せるように、糊はでんぷん糊を使います。でんぷん糊は、濡れたふきんでふやかすと、紙がきれいに剥がれます。



いかがですか?

そして、絵を買って頂いていたとき、この裏書以外にはプロフィールなどなにも紙を付けないことにしています。ペラペラといろいろ入ってたら保管に困るので。

あ、そうそう。例外ですが、その方のために描いた似顔絵などの絵には裏書を付けないことがあります。


あなたがもし絵描きさんでしたら、いつもこれくらいお客様のことを考えてみえました?

私がいつも作品に付けるサインや裏書は、自分自身のプライドの為ではありません。

購入された方に対する精一杯の気持ちです。

絵を描くだけが絵描きの仕事ではありません。

自分の絵が、買ってくださった方のところで、ご迷惑をかけないように、責任を持って最後まで任務を遂行しましょうね。


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