額縁屋さんで学んだこと
前回の鉛筆画講座で、額装の大切さについて触れました。ですが、一般的に「絵描きはお金がないもの」なので、額装無しでギャラリーに展示したり、額装がジャマと言われたり、額装は買ってくださった方におまかせしたり、いろいろな考え方があって、付けない方もいます。
それでも私が額装を大切にするのはなぜでしょう。
私が絵を売ったりするようになった頃から、とてもお世話になっている額縁屋さんがあります。そこで額装してもらうときに、たくさんお話をするんですが、そこで学んだことが大きく影響しているからなんです。
額縁屋さんのお話をまとめますね。
額装は絵を守るもの
まず一つ目の理由は、額装によって絵を守るという考え方です。絵というのは呼吸しています。老化もするのですよ。外気に晒したままだと湿気などでシミやカビが発生したりします。日光にもやられますしね。あと、衝撃から大切な絵を守ってくれたりもします。額縁に入れると、絵を守りながら、鑑賞して楽しむことができるのです。
額装は絵の見栄えを良くする
↑額装すると、さらに神々しく(笑)
本来なら「一つの絵に合う額縁は世界にたった一つ」と額縁屋さんは言います。
絵の魅力を殺してしまう額縁もある。絵の魅力に追いつかない失礼な額縁もある。絵より額縁の方が立派になってしまうこともある。掛ける場所の雰囲気と、絵の世界をつなぐ役割もある。
いろいろな視点から考えて、本当だったらその絵に合う額縁はオーダーして一点限りのものしか合わないはずなのだと……。でも、すべてにそうしていたら大変なので、自分が欲しいイメージをしっかり持って、たくさんある中から、真剣に選ぶのです。
時には、「お任せ」にしてみる
↑マット(絵をおさえるために、四角くくり抜いた厚紙)にこだわってくれました。内側に絵の中に使用した色を使ってモザイク模様がチラリズムしするように……✨
何回か額縁屋さんに通うことで、お気に入りの店員さんに出会うことになると思います。自分の好みもわかってもらえているし、作品の雰囲気から合う額縁の傾向も覚えていてくれるようになったりします。そうなると、店員さんに、「お任せ」してみるのもいいかもしれません。「いつもと違う感じでもいいです。お任せしますので、好きにやっちゃってください♪」ってお願いすると、めちゃくちゃ楽しそうにいろいろやってくれますよ。
額縁って、正直結構いいお値段します。でも、自分の絵を最後まで面倒見るほどに、やはり絵の価値がグンッとアップするんですよね。「良い額縁付けたるぞ!」って思ってると、描いてる時の意識も上がるもんです。是非、あなたの作品にも一期一会で、素敵な額縁を……♪
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2017.02.04 14:03
2017.02.04 14:00